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東ドイツ民主化デモのリーダーのコーチング術   ◆「人間力」エピソード集

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 以下は、『ハーバードで学ぶ「デキるチーム」5つの条件』に、著者の体験として紹介されているエピソードである。

 80年代後半のこと、ハーバード大学教授のJ・リチャード・ハックマンは、「チームの研究」の一環として、世界最古のオーケストラであるゲバントハウス管弦楽団のメンバーやマネージャーにインタビューするために、ライプチヒを訪れていた。
 夕方になると、東ドイツ崩壊の直前とあって、楽団の面々も「これから民主化デモに出かけますので、インタビューはここまでにしていただけませんか」とていねいに断って、みんなでデモに出かけてしまった。

 教授たちもこれについて行って、集会の様子を見物した。広場には数万人の群衆が、民主化を求めて集まっていた。やがて広場に面した建物のバルコニーに人影が現れた。民主化デモのリーダーがマイクを握り、「今日はここにいる5人の立場の違う人たちに、東ドイツの未来について語ってもらいたい」と告げた。
 最初に登壇した人は、「現在の独裁制をやめて民主的選挙をやるべきだ」と主張し、全群衆の喝采を浴びた。
 次に話し始めたのは現体制側のドイツ社会主義統一党の人間であり、急進的な改革を戒め、「漸進的な社会改革を進めよう」と体制側の主張に沿った話を始めたのだが、そのとたん広場を埋め尽くした数万の群衆から大ブーイングが巻き起こり、とても話などできない状態になった。

 するとデモのリーダーがマイクを握り、群衆にこう語りかけた。
 「自分が考える民主主義とは、他人の話そうとしていることにちゃんと耳を傾けることである。たとえそれが、自分の気に入らない内容であることがわかっていたとしても、聞かなければならない」
 そしてリーダーは静かにマイクを体制側の代表者に返したのである。教授は、「代表者は原稿を読み始め、民主主義についての小さな教訓を学んだ市民たちはこれを静かに聞いた」「ほんの短い時間の出来事だったが、リーダーは自分の仲間が信奉する民主主義のモデルを見事に示したと言えるだろう」と、民主主義の本場を自任するアメリカ人らしい上から目線で、この活きたコーチングの事例を記述している。

 なるほど民主主義というのは、お互いが認め合い、議論を闘わせる中から全員にとって最良の選択を行う機会を最大化するという、すぐれた体制かもしれない。その前提は、まず相手の話を聞き、主張を理解することである。はなから相手を否定してかかってしまっては、同じ社会の屋根の下に暮らすことはできない。
  そして優れた企業や集団の中には、必ずこの「どんな相手の話も頭ごなしに否定せず検討してみる」という文化が流れている。それが新しい知を生み出し、リスクを減らして競争に勝つために不可欠な姿勢であると知っているからである。
 優れたリーダーは、立場のまったく異なる相手からでも、話を聞くだけは聞くというオープンな姿勢を必ず持っているものだ。


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