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岡本太郎の「顔」 ◆「人間力」エピソード集

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 責任のあるビジネスマンであるならば、自分の表情は意識してつくるものである。私が「顔」の大切さを思い知ったひとつの経験をお話ししたい。

 岡本太郎画伯は、20世紀を代表する日本の現代画家、彫刻家である。日本万国博覧会のシンボルとなった3つの顔を持つ「太陽の塔」をはじめとする非常に挑戦的な作風は、作品のみならず彼の生き方や振舞い自体にも及んでおり、彼の行動自体が昭和の記憶として多くの人々の心に刻まれている。例えばそれは、40歳から始めた「挑戦するスキー」にも現れているし、「芸術は爆発だ」「グラスの底に顔があってもいいじゃないか」といったテレビコマーシャルを通した社会への呼びかけとして表現されている。
 多くの人は、彼の顔を思い起こすときに、さして大きくもない両目を精一杯見開いて、カメラの向こう側をにらみつけるようにしていた岡本太郎の気迫にあふれた顔をイメージするのではないだろうか。この彼がカメラに向けた表情も、彼の表現の一形態だったのである。

 1989年の暮のことだったが、私は晩年の岡本太郎にインタビューする機会を得て、スポーツライターの長田渚左さんと南青山の彼のアトリエを訪ねた。写真を撮るためにカメラマンを同行したのであるが、岡本はカメラマンがレンズを向けると、インタビュアーと話をしているにもかかわらず、カメラマンのレンズをぐっと睨み、両手を大きく広げて、ぐいぐいと近づいていくのである。その表情こそが、多くの人々が記憶している岡本太郎の表情であった。

 「なんだこのおじさん、おもしれえ」ということでカメラマンはおもしろがって撮っている。しかしカメラマンというのは、いろいろな表情を押さえたがるもので、インタビューの間ずっとカメラを構えていて、岡本が話に夢中になってそうした表情の緩んだところを狙って一所懸命シャッターを切る。するとシャッター音を聞いた岡本は小さな声で、「ああまたそんなところを撮って」と不満を口にした。
 そのとき私は知ったのだ。つまり岡本は、意識して自分の顔で表現行為を行っていたのである。彼にとって、写真として世の中に出る自分の顔は、自分の内面を表現する表情でなければならなかったのだ。「これが表現者というものか」と私は衝撃を受けた。

 翻ってみれば、ふだんわれわれは人前に顔をさらしているときに、自分の表情が自分の内面を表現しているということをちゃんと意識しているだろうか。寝ぼけ顔で人の前に出たり、意思の宿っていない目線を人に向けながら話を聞いたりしていないだろうか。相手はこちらの顔を見て、こちらの心の状態を探っているのである。だからビジネスマンは、自分の顔に責任を持たなければならないのだ。
 岡本太郎は、常に表情で自分の内面を表現し続けるという人間力を持っていたのである。
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人間力とは、「大人になること」と見つけたり













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