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『マネーの拳』 納入業者を許す   ◆「人間力」エピソード集

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自分に背を向けた相手に恩を売れば、強力な味方になる


 絶対に自分を裏切らない味方をつくるにはどうすればよいだろうか。裏切った相手を許すのもひとつの方法である。

 「ビッグコミック スペリオール」に連載中の『マネーの拳』(三田紀房作)というマンガの中に以下のようなエピソードがある。この漫画の主人公である花岡健は、ボクシングの世界チャンピオンだったのだが、引退後ある金主から元手を得て、Tシャツの製造販売ショップをビジネスとしてスタートする。しかし彼の前には大手商社がライバルとして立ちふさがる。
 花岡は苦労して、まったく新しい素材を使った新商品のTシャツの開発を進め、うまくヒットさせる。これに目をつけたライバルの大手商社は、その生地をつくっていたメーカーの社長に掛け合って、花岡社長の会社に売るはずだった生地を強引に横取りする。そして中国のメーカーに縫製させて、まったく同じスタイルのパクリ商品のTシャツを売り出してしまう。

 花岡社長はせっかくのヒット商品を取り上げられて一気にピンチに立たされた。しかし大手商社は大きなまちがいを犯していたのだ。花岡社長のTシャツは新素材に合わせて国内の自社工場でしっかり縫製したものであったが、中国のメーカーに頼んだ大手商社のTシャツは糸の選択を誤り、また縫製の技術がいい加減だったので、洗濯すると袖が取れてバラバラになってしまう欠陥商品だったのだ。大手商社のTシャツショップにはクレームが殺到し、返品の山が築かれることになった。大手商社との厳しい勝負に花岡社長は勝ったのである。

 敗戦処理しなければならなくなった大手商社は、大手という立場の強みを生かして、横取りした生地を無理矢理生地メーカーに返品してしまう。つくった生地を大量に返品されて困った生地メーカーの社長は、生地がさばけないと運転資金繰りがつかないので、花岡社長に泣きつくしかなかった。一度こちらを裏切った生地メーカーの社長は、花岡社長に深々と頭を下げ全面的に謝罪する。
 「なんとか助けてください。もちろん値段を大幅に下げます。そちらの条件はすべて飲みます」
 と平身低頭して頭を下げる。
 このとき花岡社長の立場は強いので、ここで値切り交渉をして原価を大幅に下げることもできるのだが、彼は
 「この件は一切水に流しましょう、すべて忘れますよ。値段も元の価格で結構。完全に前の状態に戻して、また一から取り引きしましょう」
 とさらりと言ってのける。それを聞いた生地メーカーの社長は涙を流して、「このご恩は一生忘れません」と頭を下げるのだった。

 花岡社長は人の弱みにつけ込まない寛大さを発揮したわけではなく、「この特殊な生地をつくれるメーカーとは長期的に付き合って損はない」と思っているので、信用はできないものの、いまは助けてやって恩を売り、今後の主導権をとることを選んだのである。その方が長期的に見て利益を取り続けられるだろうという判断だったのだ。値段を下げさせても利益を得られるのは一時のこと。それよりも後々の利益を取ることを選んだのだ。花岡は部下に、「商売とは、心を売って金に変えることなんだ」と語るのだった。

 『マネーの拳』の花岡社長は、かつて自分を裏切った相手を否定せず、受け容れてやることで、相手の心をがっちりつかんだのである。
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