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ジャパネットたかたの説得術   ◆「人間力」エピソード集

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説明するだけではダメ、消費者は背中を押してもらいたいもの


 説得とは相手をその気にさせて、自発的に動くように導くことである。そのためには、ただひたすら自分の主張をごり押ししていては効果がない。不特定多数の人たちに対する効果的な説得の事例として、ジャパネットたかたのテレビショッピングがどのような工夫をしているか、洗濯乾燥機の売り文句について分析してみよう。

 洗濯乾燥機とは、洗濯機と乾燥機が合体したもので、洗濯から乾燥までを連続して行う高機能の洗濯機だ。したがってふつうの洗濯機よりも値段が張る(二〇〇六年の世帯普及率は一〇%以下)。そこでコーナーの最初は、「分割三六回払いコーナーです」と、一回当たりの支払い負担が少ないことをまず強調する。

 どんな家庭にも洗濯機は普及しているわけだから、洗濯乾燥機が売れるかどうかは「買い換えよう」という気持ちを起こさせるかどうかがポイントになる。しかし洗濯機は丈夫な商品なので、まだ十分使える洗濯機を持っている家庭のほうが多いだろう。それをいかにして「高機能の商品に買い換えよう」という気持ちになってもらうか、それを五分程度のテレビ番組の中で説得するのが、ジャパネットたかたの持っているノウハウなのである。まず、
 「洗濯乾燥機、S社の新モデルをご用意させていただきました。出たばかりの新商品。しかもジャパネットたかたのオリジナルモデル」
 まず新しさで視聴者の興味を引きつける。新しいもの信仰は健在である。次に商品の機能が優れていることを説明し、視聴者の頭の中に「この洗濯機はわたしにとって必要なものだ」という価値判断を植えつける。
 「容量は九キロ洗濯の六キロ乾燥。しかもサイズがコンパクトで、立ったままで出し入れしやすく取り出しが楽。循環ポンプが入っているので、ほんの少しの水で大量の水で洗っているのと同じ効果を出す。従って節水できる。夜、洗濯機を回してもらっても大丈夫な低振動低騒音。すすぎの工程で銀イオンを水に溶かし衣料コーティングをすることで、いやな臭いや静電気を抑える」
 これでもかと言わんばかりに最新機能をアピールする。説明員は、どことなく高田明社長に似た印象の好青年で、声も表情も明るくテンションがとても高い。たたみみかけるように商品の素晴らしさを語るので、つい「なるほど」と思わせてしまうところもミソだ。

 「そうはいっても、うちにある洗濯機はまだ十分動いているけどなぁ」と思考が後戻りする視聴者の気持ちを購入に導くためにジャパネットが繰り出す必殺技が、古い洗濯機の下取りである。チャンネルを変えられないために、細かい機能を説明する前に、「下取り価格も楽しみにしてください」と予告しておく。下取り価格がある程度高ければ、「いまの洗濯機より水道代が節約できるし、リーズナブルなんじゃないの?」という気持ちが視聴者の心の中に芽生えてくる。つまり決定的なインパクトになるのだ。

 「そしていよいよお値段。消費税込みで新モデルが、いきなりなんと一六万九八〇〇円! ……なんですが、実はこれからです。古い洗濯機を一万円でもなくて、二万円でもなくて、三万円で下取りします」と、価格を記した積み木を積み上げながら三万円を強調。視覚に訴えかける作戦である。「しかも三六回まで分割し、金利手数料ジャパネット負担。つまり月々三九〇〇円の均等払い。しかも開梱標準取り付けは無料で行います。ただしリサイクル料金は頂きます」

 そして最後に、「ぜひ下取りに出してください」と勧めて、「あそこまで勧めているのだから、じゃあ買い替えてみようか、ボーナスも出るし」と思わせるのだ。
 消費者は、商品の性能に納得していたとしても、購入を決断するときには背中を押して欲しいもの。その背中を押すポイントをこのテレビショッピングでは下取り価格三万円に置いているのである。

 ジャパネットたかたは、消費者の判断のツボを知り尽くしている。そして商品の機能説明でぐらりときた視聴者の背中をポンと見事に押して、購入に踏み切らせるのである。
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人間力とは、「大人になること」と見つけたり













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