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「クリムゾン・タイド」 部下の力を引き出す   ◆「人間力」エピソード集

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部下の心にちゃんと伝わるまで命令を伝えるのが上司の仕事


 自分の言いたいことがちゃんと相手に伝わっていなければ、コミュニケーションは成立していない。部下に命令をちゃんと伝えるのは上司の仕事である。

 一九九五年のアメリカ映画「クリムゾン・タイド」(トニー・スコット監督)は全面核戦争の危機を回避しようとするアメリカ原子力潜水艦のドラマの中で、命令伝達の重要さもうまく描かれていた。である。個性の際立つ主人公二人のぶつかり合いがおもしろい。

 物語の発端は、ロシアの極右派の内乱である。反乱軍は、海軍基地にあった四隻の潜水艦とシベリアの核ミサイル基地を占拠し、「もしロシア政府軍が反乱軍を攻撃したら、アメリカと日本を核攻撃する」と脅迫する。この事態を受けてアメリカ海軍は、事態収拾のために原子力潜水艦アラバマに、ロシア近海への出撃命令を下した。艦長は白人で粗野な荒くれ者のたたき上げ、ラムジー大佐(ジーン・ハックマン)。新任のハンター副長(デンゼル・ワシントン)は黒人で海軍士官学校卒。ハーバードに一年留学、趣味は乗馬という超エリート、この二人のそりが合うわけがない。

 出航一一日目、司令部からの「ロシア反乱軍、ミサイル燃料装填開始、先制攻撃のためトライデントミサイルを発射せ……」との緊急指令を受信中に敵艦が現れ、急速潜行するなかで電文は途中でとぎれてしまう。さらに追加電文を受信中に敵艦からの攻撃を受け、撃退したものの受信機が破損してしまった。
 艦長は「われわれは先制攻撃命令を受けた。数秒を争う。待つ余裕はない。先を越されたら終わりだ」と発射を主張するが、黒人の副長は「追加電文は作戦中止命令かもしれない。通信回復を待ってから攻撃しましょう。司令部は監視衛星によって本艦がミサイル発射をしたかどうか確認できる。われわれがやらなければ他の艦にやらせるでしょう」と食い下がる。それでもなお艦長は核ミサイル発射を強行しようとするので、副長は艦長を核兵器使用規定違反で解任する。
 ミサイルは発射準備態勢のまま発射を延期。しかしロシア反乱軍のミサイルは二一分後に発射可能になる。副長は無線室に「通信システム復帰を急げ」と連絡電話を入れるが、「システムは全滅している」というそっけない返答を受ける。通信部員たちは「これじゃ伝書バトでも必要だ」と冗談を言い合っている。

 一方、艦長派は実権奪還を企んでいる。通信回復が事態打開のカギなのだ。そこで副長は通信室を訪れる。「責任者は?」と尋ねると、「わたしだ」と答えたボスラー通信士は、線が細く内向的なオタクタイプである。
 副長が「復旧の見通しは?」と聞くと、「さあ」という気のない返事。通信機がだめになり、復旧の見通しも立たず、仕事をやる気すら失っているのを見てとった副長は、「通信士に喝を入れ、状況をわからせないとヤバイ」と判断し、次のように言う。
 「君はわかっていない。われわれがミサイルをまちがって発射したら、ロシアは報復攻撃をしてくる。この世の地獄になってしまうんだ。ボスラー、わたしは攻撃中止命令の有無を知りたい。そのためには無線が必要だ」
 やっと自分の役割に気がついて、「そうですね」と答えるボスラー。さらに副長は、わかりやすいたとえ話をするために、理系オタクの趣味を考えて「スタートレックって知ってるか?」とたずねる。
 「エンタープライズ号のカーク船長はピンチのときに、機関主任のスコッティに、もっとパワーを、と要求するよな」
 「もっとスピードを、と言いますね」と応えるボスラー。

 その答えで、ボスラーに話が伝わっていることを確認した副長は、「わたしがカーク船長で、君がスコティだ。無線を直さないと何十万人も死んでしまう。すべてが君にかかっている」と語りかける。頭の中でぼんやりと状況を理解した感じのボスラー。
 副長は、ボスラーに「スコティ」と話しかける。目を泳がせながらもボスラーは、「船長」と応える。話が伝わったことを確認して、通信室を後にする副長。ボスラーは部下に対して「急いでやれ」と命令する。一刻を争う状況だと、やっと伝わったのだ。

 艦長はその後、反乱を起こして実権を取り戻すが、副長の必死の説得によって、無線が復旧するまで発射を待ち、潜望鏡深度まで浮上して通信文を受信する。上級将校たちは暗号解読機にかけた通信文を確認し、艦長に手渡す。艦長は自らマイクをとり、「乗員諸君、ミサイル発射は中止だ」とアナウンスする。艦内に響き渡る歓声と笑顔。破滅への危機は回避され、乗員たちは歓喜に沸いた。反乱軍はロシア軍の攻撃で即座に降伏していたのだ。

 できる上司は、部下の力を引き出すために、相手にとって一番わかりやすい形で自分の意思を伝える工夫をするものである。

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