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戦闘機パイロットの「クロスチェック」   ◆「人間力」エピソード集

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人間力をコントロールするコツ


 人間力を発揮するためには、「自分をコントロールする必要がある」と前章で述べ、またこの章では「相手をよく観察する必要がある」と述べてきた。しかし人間とは二つのことを同時にすることができない生き物である。ではこの自分をコントロールすることと、相手をよく観察することのどちらを優先すればよいのかという問題が出てくる。

 そこで参考になるのが、F4ファントムやF15、F16などの自衛隊のジェット戦闘機のパイロットの操縦術だ。あまり起こりえない状況だが、ごく近距離で戦闘機同士が交戦態勢に入った場合、パイロットはどのような情報を基にして機体をコントロールするのだろうか。

 近接戦闘になった場合、敵機の背後に回り込んでミサイルを撃ち込めば勝ちなので、敵機の後ろをとるイタチごっこになる。飛行機を小さな旋回半径で旋回させると、パイロットにはたいへんな重力負担がかかるので、下手をすると一度うつむくと首が上がらなくなってしまう。

 そこで戦闘機のコクピットには、窓の外を見たままで、飛行に必要な情報を示す計器類がすべて目に入ってくるように、パイロットの目の前にヘッドアップディスプレイという透明の情報パネルが置かれている。そこには、自機の方向、姿勢、高度、速度などの操縦制御のための情報、自機が持っている武器情報、そして敵がどこまで接近しているか、こちらを捕捉しているかといった敵機側の情報が表示される。パイロットは一瞬一瞬変化していくこれらの情報を見ながら、自機をどうコントロールするか判断しなければならない。彼らは、一瞬の判断の遅れが即、死につながるギリギリの限界状況に置かれている。

 このときパイロットは、順番に目線を動かして情報パネルに表示されている数値を読み込むのではなく、同時にすべての計器の情報を見て、異常のある数値を示した計器に瞬時に気づく訓練を受けている。このとき目の焦点はすべての計器を見ながら、また見ていない。つまり、一つひとつをず全体を見るという連続観察を行っているのだ。これを「クロスチェック」と言う。一度にすべての計器に目配りし、自機のコントロールと敵機の観察を行っているのである。この能力を身につけることが、極限の状況下で相手より優位に立たなければならない戦闘機乗りには絶対に欠かせない。

 つまりお互いがつばぜり合いをしている状況にあって、相手を打ち負かす人間力を発揮するためには、自分をコントロールすると同時に、相手の観察を行い、相手に先回りするクロスチェックの姿勢が必要なのである。もしこれを同時に行えないのであれば、自分のコントロールと相手の観察をものすごいスピードで交互に繰り返すと考えればよい。そのスピードが相手よりも遅ければ、そして相手よりも観察が浅ければ、やはり相手に負けてしまうことになるだろう。

 他の例で言えば、ジャーナリストの田原総一朗がテレビでやっているインタビューを注意して視ていただきたい。彼は相手の反応を見ながら、瞬時に質問の方向を変えている。その鮮やかな連続技が田原の持ち味なのだ。

 人間力のある人は、常に自分と相手のクロスチェックを行っているものである。

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人間力とは、「大人になること」と見つけたり













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