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ビジネスクラスのVIP客   ◆「人間力」エピソード集

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 たとえ自分が仕事としてサービスをする立場にない場合でも、人間力のある人は「進んで他人を助けよう」という気持ちを常に持っているものだ。
 全日空国際線のあるフライトアテンダントは、いつも不思議に思っていることがあると言う。それはビジネスクラスのお客さまの食事についてである。
 たとえばある便のビジネスクラスに八〇人お客さまが乗っていて、日本食は六〇食、ステーキとシーフードを四〇食ずつ載せていた。ところが、最初の五〇人に聞いたら、みんなが「日本食をください」と答えることがある。このままでいくと、確実に日本食が足りなくなる。さて、そのときどうするか。
 マニュアルでは、エコノミークラスからアップグレードした人や、初めてビジネスクラスに乗ったお客さまから順番に、「申し訳ありません、先程日本食とうかがったのですが、ちょっと今日は切らせておりまして、お肉ではいかがでしょうか?」、あるいは「今日の鯛のソテーはとってもおいしいんですけど」といった感じでお客さまの注文を変えていただくことになっている。
 しかし初めて乗った人やアップグレードした人は、だいたい食事の変更は拒否するものなのだそうだ。おそらく会社であまり認められていなかったり、家庭で肩身の狭い思いをしていたりするので、「せめてこういう場では自分を認めてほしい」と思っているのだろう。食べたいものを食べられないと、自分が拒否されたような気持ちになってしまう。だから「僕は和食がいいと言ったんだよ」と頑として譲らないのである。
 あと一〇人のお客さまの中で「肉でもいいよ」といってくれる人が五人いなければどうにもならないという状況に追い詰められ、アテンダントたちは汗をかきながらお客さまの説得にあたっている。そういうときに、「キミキミ、和食の数が足りないの?」と声をかけてくれるのは、まちがいなくVIP客なのだそうだ。いつもはファーストクラスに乗るのだけど、たまたま今回だけビジネスクラスに乗っているとか、ダイヤモンドメンバーで年間何万マイルも乗っているような、全日空にとっての上客である。航空会社のマニュアルにはそうしたVIP客に対しては、「絶対に食事の変更は頼むな」と書かれているし、アテンダントたちもVIP客に気づかれないように声をひそめて他のお客さまに食事の変更を頼んでいるわけだが、よりにもよってどうしても聞かれてはならないその本人から、「僕さっき日本食って頼んだけど、別にステーキでもいいよ」と言ってくれるのだそうだ。そういう人が一便に二、三人いて最後の二、三個がちょうどそれに当てはまって、それでだいたい救われるケースが少なくないらしい。
 VIP客は、航空会社にとっては絶対逃したくない客なので、食事の変更を頼まれることはありえないにもかかわらず、その場の状況を察して、「これは何かまずいことが起こっているんだな」と関知する能力を持っている。彼らは、自分の娘のような年の若いアテンダントが怪しいオヤジたちを相手に「申し訳ございません」と頭を下げているのを見て、何かしらの居心地の悪さを感じて、「ちょっとちょっと」と助け船を出してやるわけだ。またVIP客になるような人は自分自身をコントロールしているので、ストレスを感じることがない。だから、アテンダントに当たり散らすような見苦しい姿を見せることもないのである。
 出世する人は、自分に直接関係のない範囲のことまで常にアンテナを延ばして察知し、困っている人がいれば自然に助けようとするサービス志向性を身につけている。

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人間力とは、「大人になること」と見つけたり













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