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韓信の股くぐり   「人間力」エピソード集

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脊髄反射で反応せず、ぐっとこらえれば道はひらける


 世の中我慢が大切だ。

 秦末期、楚の淮陰に貧しい農民として生まれた韓信は、今で言えばフリーターとでも言うべき若者であった。とにかく貧乏で素行が悪く、ゴロゴロしていて何もせず、商売をしようともしなかったので、知り合いに食べさせてもらうしかなかったのである。
 韓信が腹の足しにしようと川で釣りをしていると、老婆がその川で布をさらしていた。彼が空腹そうなのを見かねた老婆は、布をさらし終わるまでの一〇日間食事をめぐんでやった。韓信は喜んで、「あなたにはいずれ必ず厚くお礼をする」と言ったのだが、老婆は「てめえが食うにも困っているくせに、何言ってんだい」と相手にもしなかった。

 またある日町の盛り場で、韓信は若者に声をかけられた。「韓信よ、お前は背が高いし、いつも大きな刀をぶら下げて歩いているが、本当は臆病者なのだろう。もしそうでないのなら、その刀で俺を切ってみろよ。それができないなら、俺の股をくぐれ」と挑発した。
 韓信はその若者の顔をしばし眺めてから、何も言わずはいつくばって、若者の股をくぐり抜けた。それを見た周囲の人々は、「なんて情けない男だ」と声をあげて笑った。この話は街中に広がり、韓信は「股夫」という不名誉なあだ名で呼ばれるようになってしまう。

 しかし実はこの韓信は志の高い若者であった。「ここでこの若者を殺しても何の得にもならない」と計算したうえで、股をくぐったのだ。
 やがて韓信は秦を倒した項羽に仕えるが、その才能をまったく認められず、閑職をたらい回しされてうだつが上がらなかった。項羽にさまざまな進言を行ったが、ひとつとして取り上げられることはなかった。

 紀元前二〇六年、韓信は鞍替えして劉邦に仕えるようになる。ここでも韓信の能力はなかなか認められなかったのだが、軍師の蕭何が韓信の才能を見抜き、「彼は国士無双です。項羽を倒すためにはぜひ彼の力が必要です」と強力に推薦したので、劉邦は彼を大将軍の地位に大抜擢する。そこからの韓信の働きは目覚ましく、あっという間に都に攻めのぼり、最終的に絶大な権勢を誇った項羽を討ち滅ぼすこととなった。

 劉邦は韓信を楚王に封じたので、韓信は故郷に帰ってきた。そして若いころ飯をめぐんでくれた老女に礼金を与え、股をくぐらせた若者を探し出し、こう言った。「あのときお前を斬り殺すのは簡単だったが、そんな罪を犯してもしかたがない。ここは我慢して股をくぐろうという判断をしたおかげで、わたしは今の地位につくことができたのだ」と言って、彼を高位につけて厚遇したという。
 反射的に反応して、自分に不利な結果を招くのは簡単なことだ。そこをぐっとこらえることで、新しい自分の未来が切り開けるものなのである。

 韓信は、自分を殺して目的を追い続けることで、大望を果たしたのである。(参考/『史記』より)

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