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「ゴッドファーザー」 マフィアの大抗争を招いたささいな失言   「人間力」エピソード集

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交渉を有利に進めたければ、決してこちらの弱みを相手に見せるな


 ビジネスマンは、自分の考えを相手に悟られてはならない。
 「ゴッドファーザー」(マリオ・プーゾ原作、フランシス・フォード・コッポラ監督)はニューヨークマフィアの家族愛と消長を描き切った、映画史上に燦然と輝く名作である。その中では、コルレオーネファミリーが、敵対するニューヨーク五大ファミリーのボスを一挙に暗殺した、血で血を洗う大抗争がクライマックスとなっているが、そのきっかけは、ドンの息子のささいな失言からであった。

 太平洋戦争直後、まだアメリカには麻薬が蔓延していなかった。そこへ麻薬界で大物と言われているソロッツォという麻薬の売人が「組んで麻薬ビジネスをやりたい」と、コルレオーネファミリーに接触を求めてきた。ソロッツォはトルコ人でナイフの名人。しかし頭のよいビジネスマンなので無益な殺生はしない。トルコでケシを栽培し、シチリアでそれをヘロインに加工している。ニューヨークで新規に麻薬商売をしたいので、資金と警察からの保護を、ニューヨークマフィアの大ボス、ドン・コルレオーネ(マーロン・ブランド)に求めている。後ろ盾はドンと敵対するタッタリアファミリーだ。彼らも参入するのだろう。もしコルレオーネファミリーが麻薬に手を染めなければ、他のファミリーが麻薬で稼いだ潤沢な利益で政治家や警察を買収して勢力を伸ばすはずだ。面倒な話である。息子のソニーは、「父さんの考えは?」と聞くが、ドンは自分の考えを口にしない。

 ソロッツォが話をまとめようとコルレオーネを訪ねてくる。彼は「ドン・コルレオーネ、わたしにはニューヨークで麻薬を売りさばくために、政界のコネと一〇〇万ドルの資金が必要だ」と切り出した。「コルレオーネの取り分は利益の三〇%」とソロッツォ。ドンは「ずいぶん気前のいい申し出だな」と応じる。ソロッツォは「この一〇〇万ドルは有利な投資になるでしょう」と乾杯を申し出るが、ドンは気乗りのしない顔で「だがわたしの返事はノーだ。確かにわたしは政界に友人は多い。しかし麻薬に手を出せばそうした有力者の信頼を失ってしまう。彼らは、とばくは無害だが麻薬は害毒だと思っている。あなたの商売は少々危険だ」と応える。
 「ドンはリスクを感じているから気乗り薄なんだ」と考えたソロッツォは、「あなたの出資金についてはタッタリアファミリーが保証する」とたたみかける。その言葉にもかぶりを振ろうとしたドンを遮って、息子のソニーが横から「タッタリアが保証してくれるのなら安心だ」と身を乗り出す。ドンはそれを「待て」と制する。「困ったヤツだ、本心を敵に見せるとは」という表情のドン。
 ソロッツォに向かって、「子供を甘やかすとこれだ、すぐ口をはさみたがる。それでもわたしの返事は変わらない。あなたの健闘と成功を祈っている」。一同は席を立ち握手をしてソロッツォを見送った。
 この会談でソロッツォは、「ドンがいる限り麻薬取引に協力は得られないが、息子がこのファミリーの跡を継げば自分のビジネスはうまくいく」という感触をつかんだ。それがこの後大きな悲劇を生むことになる。

 ある日、車に乗ろうとして外に出たドン・コルレオーネは、通りの角からコートを着た二人連れの怪しい男たちが曲がってくるのに気づく。彼らがこちらに走り始めたので、ドンは身の危険を察して逃げ始めるが、男たちは銃を乱射しドンは五発の銃弾を浴びて崩れ落ちる。次男のフレドがあわてて銃を手に運転席から飛び出すが、反撃できない。男たちは十分な手ごたえを感じて走り去る。
 ドンは一命を取り留め、この後銃撃の応酬が始まる。ドンを襲撃したソロッツォの背後には、コルレオーネファミリーの利権を狙う他のマフィアがいたからである。

 敵は、味方の亀裂や一番弱い部分、自分の一番愛している者を狙ってくる。だからポーカーフェイスに徹して、こちらの本心を見せてはならないのだ。
 できるビジネスマンは、決して相手に交渉のポイントについての自分の考えを明らかにせず、話を有利に進めるものである。

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