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シンドラーのリフト   「人間力」エピソード集

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いかに「ジコチュー」から脱するかが問題だ


 人間力を発揮するためには、自分自身をきちんとコントロールし積極的に自己開示する能力が欠かせない。この能力がなければ、人と心を通じ合わせることができないばかりか、むしろ人から反感を買ってしまうことも少なくない。そうしたケースのひとつをご紹介しよう。
 二〇〇六年六月、東京港区のマンションで高校生がシンドラー社製のエレベーターに挟まれて死亡する事故が起きた。翌日、警視庁の家宅捜索を受けたシンドラー社は記者会見を行ったが、謝罪の言葉は一切なかった。

 六月八日、スイスにあるシンドラー社の本社が声明を出したが、その中では事故原因として「エレベーター産業での事故は主に不適切な管理か利用者の危険な乗り方に起因していることが多い」とした。つまり自社の責任よりも被害者に非があるとの声明である。さらに「当社には設計に原因のある死亡事故は過去にない」「事故があったエレベーターは国際的に多くの機関の認証を受け、世界中で使われている最先端の製品だ」とつけ加えていた。

 ニュースでこの知らせに接した人々は、この傲慢な態度に驚き呆れたが、さらにシンドラー社は東京都から、都内のどこに同社製のエレベーターが設置されているかリスト提出を求められたところ、個人情報保護を理由にして情報提供を拒否した。また国土交通省へ説明に行ったシンドラー社幹部は、外に待ち構えた報道陣に「映像をとられたくない」と話し、国交省二階の住宅局の資料室に三時間閉じこもった。国交省の担当者は出てくるように説得したのだが、メディアの方が根負けして取材をあきらめた。しかしこの幹部は「身の危険を感じた」と会社に携帯電話で連絡したため同社が一一〇番通報し、警視庁麹町署員三人が国交省に駆けつける騒ぎになった。
 メディア側が取材にこだわったのは、シンドラー社がなかなか記者会見を開かなかったためであるのだが、シンドラー社は記者会見ばかりでなく事故が起きたマンションの住民説明会も欠席していた。このようなシンドラー社の態度に国土交通大臣も不快感を表したほどだ。
 その後シンドラー社は各地の自治体の指名競争入札を外されたり、契約の解消や着工のストップをかけられ、この事件によってブランドイメージを大きく傷つけた。スイス大使は、帰任のための離日直前に、謝罪のために奔走することになった。シンドラー社日本法人社長は事故に対する一切の説明を拒み続け、〇六年暮れに辞任した。

 訴訟対策を考えれば「自社には責任がない」と言い張ったほうがよいのかもしれないが、謝罪をしないどころか「自分たちの責任ではない」と言い通すことによって、同社は社会全体から大きな反感を買い、さらに会社の不利益を招くことになってしまったのである。このような自己防衛的なケースはその後、瞬間湯沸器の不具合が見つかったパロマや、洋菓子のずさんな製造過程が露見した不二家、生徒の自殺者を出した福岡県の中学校の校長のコメントなど延々と続いている。社会的に責任のある役割を果たしている企業や団体において、ひたすら自分を守ろうとする態度が目立ってしまっては、納税者やステイクホールダーが納得するはずはないだろう。

 「ジコチュー」は人間力の最大の敵だ。自分の心の窓を全開にしなければ、社会からの信頼を獲得することはできないのである。

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人間力とは、「大人になること」と見つけたり













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