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「13デイズ」 世界を賭けたにらめっこ   「人間力」エピソード集

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言葉以外のコミュニケーションの重要性を知れ


 こんな形のコミュニケーションもある。
 「13デイズ」(ロジャー・ドナルドソン監督)は、ソ連がキューバにアメリカ本土を射程距離に置くミサイル基地を建設したことから始まった、世界を破滅の縁に追いやった一九六三年の「危機の一三日間」を描いた映画である。
 ケネディ大統領はキューバの海上封鎖を決定し、実行に移す。
 軍部は危機を回避しようとする大統領の意思を顧みず、「キューバ危機は開戦のチャンス」とみて、スキあらば戦争の火ブタを切ろうと構えている。大統領は軍の暴走に対して怒りをあらわにする。

 先般の北朝鮮の核実験に対する制裁でも臨検が問題になったが、キューバ危機時の臨検は、キューバに向かうソ連船を停止させ、船内を捜索し、武器があれば引き返させる。停まらない場合は威嚇発砲し、それを無視されると舵を操作不能にする攻撃を行うというものだった。大統領は「むやみに発砲するな、それ以外は海軍に任せる」と命令する。しかし念のために、海軍省の司令所にマクナマラ国防長官を派遣する。

 一〇月二四日ワシントン時間午前一〇時。海上封鎖がスタートした。世界を賭けたにらめっこである。ソ連の貨物船は一斉に方向転換してソ連へと帰って行った。
 アメリカ海軍は水も漏らさぬ体制でキューバを封鎖したが、貨物船グロズニーが封鎖海域内に入ってしまう。アメリカ海軍のフリゲート艦が現場に急行し停船を命じるたが、応答はない。武器が装填され、一触即発の状況である。しかし貨物船は停船しない。
 ジョージ・アンダーソン提督(海軍作戦部長・大将)は、現場のフリゲートのブリッジと電話連絡していて、「戦闘準備完了だな」と話している。それを聞きつけたマクナマラ国防長官は、「今のはなんだ」と詰め寄る。提督は、「一時間も呼びかけているのにソ連船は停戦しない。だから職務を遂行する。忙しいので邪魔せんでくれ。わたしは、大統領が署名した指令書通りに動いている」といらだたしさをあらわにして答える。
 提督は電話に向かって「よーし、続行だ。発砲しろ」と命令する。マクナマラは、「ちょっと待て、何をするんだ」と言いながら提督ににじりよるが、すでにそのときにはフリゲートは発砲してしまう。
 マクナマラは、「よせ、撃つな、撃つのをやめろ!」と怒鳴る。あまりのマクナマラの険しさに提督は「撃ち方やめ!」を命令する。
 マクナマラは、「信じられん」と絶句するが、提督はひっかかったなとばかりに、「いま撃ったのは照明弾だ」と話す。
 相手を攻撃したとばかり思っていたマクナマラは、その意外な返事に「なにっ? 照明弾だったのか」と驚きを隠せない。提督はたたみかけるように、「これじゃ仕事にならん。連夜の泊まり込みであなたは疲れて勘違いをしている。海上封鎖は海軍にまかせるのだ。わたしを妨害し部下を殺すなら許さんぞ」と、電話を手にしたまま出ていけとばかりの剣幕で叫ぶ。

 提督はさらに、「敵を狙ったら攻撃だが、われわれは上空を狙って撃った」と屁理屈を並べる。
 それに対してマクナマラは、「それは大統領の意思とは違う。ソ連がわたしみたいに誤解したらどうなる? 提督、わたしの許可なくソ連船の周囲に発砲してはならない!」と激しくなじる。発令所の全員が聞き耳を立ててこのやりとりをうかがっている。
 マクナマラは「わたしが大統領の命令に従って発砲命令を下す。なにが海軍だ。君にはわかっていない。これは封鎖でなく、新しい言語なのだ。世界が初めて知る言語なんだ。大統領はフルシチョフと海上封鎖で対話しているんだ!」
 その説明を聞いて、唖然とする提督。相手はこちらのあらゆる行為を、こちらの意思の表明として理解する。しかし提督の頭には、外交的なコミュニケーションという概念はなく、ただ海上封鎖は敵対勢力を押し戻す戦術的行為であるとの認識しかなかったようだ。

 責任ある地位の人間は、コミュニケーションの本質を知る必要がある。



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