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客の心理が読めない家電量販店の販売員   「人間力」エピソード集

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「自分と他人の利害は別」と、わかってはいても実践はむずかしい


 人間力の前提として、「自分と他人とは徹底的に違う存在である」ことを意識する必要がある。
 人はすべて自分と同じような心を持っていて、相手に働きかけるとは、相手の心に届くように働きかけることなのだが、多くの人は「自分がこう考えているのだから相手も同じように考えているだろう」と思い込みがちである。しかしそれこそがまちがいのもとなのだ。子供はそもそもそうした自分中心の世界の中に住んでいるが、大人になるということは「他人は自分とは違う心を持っていて、別の利害得失がある存在なのだ」と悟ることなのである。
 しかし、自分と他人がとことん違うことは、まったく自明のことのようでいて、なかなか実際の場で実践するのはむずかしいことだ。

 これはわたしが体験したケースだが、都心の大型家電量販店に行ってノートパソコンを買った。わたしはマッキントッシュユーザーなので、Macパソコンである。レジで女性店員に、「五二五Mのメモリもください」と言って同時に購入した。ところが、家に帰ってからそのメモリをパソコンにつけようとしたら、デスクトップパソコン用のメモリを渡されたようで、買ってきたノートパソコンに装着しようと思ってもまったく合わない。
 少数派なので世間から虐げられることになれてしまっているMacユーザーは、この手のことはよくあることなのでもう驚かない。翌日交換するためにしおしおとマッキントッシュコーナーに行くと昨日と同じ女性店員がいたので、メモリを見せて「これってメモリが違ってるのわかるよね?」と聞くと、店員は「あっ、そうですね」といってノートパソコン用のメモリを取りにいってくれた。
 そのまま何も言わずに渡してくれればよかったのだ。しかし戻ってきた店員はメモリをわたしに渡しながらひとこと言った。
 「ご確認ください」
 そこでわたしは内心ブチ切れた。
 「あんたが昨日確認しなかったからこれが今日ここにいるんだろう。あんたがやるべきことを客にやらせるな!」
 ……一度でいいから怒鳴らずにパソコンを買いたいというのがMacユーザーのささやかな願いである。

 ここで考えていただきたいのだが、なぜこの女性店員はわたしに「ご確認ください」などと言ったのだろうか。今時の家電量販店の販売員は、非常によく接客研修を受けていて、お客さま第一の姿勢が徹底している。この女性店員もとてもよい感じの人だった。しかしそれだけに彼女は、自分が確認せずにまちがったメモリを渡してしまったことを反省して、「自分がちゃんと確認しなきゃ。自分が確認しないといけないんだ」と心の中で強く思ったのだろう。その言葉が反射的に口をついて「ご確認ください」と出てきたのだとわたしは考える。
 しかし商品を確認するのは店員の仕事であって、やはり、客の仕事ではないわけだ。「ご確認ください」と言うのであれば、昨日言わなければならなかったのである。それをわざわざ交換に足を運んで来たのにさも当然そうに言われたのでは立腹せざるをえない。

 どんなに接客の訓練を積んだ店員でも、やはり「お客さまと自分は別の立場であり、別の物の見方をしている」ということを忘れてしまう瞬間があるものなのだ。
 「自分と他人の利害得失や考え方はまったく別なのだ」とはっきりと認識し実践に生かすことが、相手の心に働きかける人間力のスタート地点なのである。


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人間力とは、「大人になること」と見つけたり













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