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四面楚歌 史上最大の心理戦   「人間力」エピソード集

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どんな場合でも、相手の気持ちにうまく働きかける手段を考えろ


 相手の心理に手を伸ばすことによって局面を打開する鮮やかなケースとして、あまりにも有名な『史記』の四面楚歌のエピソードをご紹介しよう。
 中国の最初の大帝国である秦が数年後にあっけなく滅んだ後、覇権を争い一〇年間死闘を繰り広げたのが西楚の覇王項羽と漢王劉邦である。項羽はまれにみる豪傑猛者であったが、乱暴で部下の諫めを聞き入れず、独善的に振る舞ったのでしだいに人々の信頼を失っていた。そのため一時は劉邦を圧倒する勢いであったのだが、しだいに兵力を減らしていった。その反対に劉邦は部下の進言をよく聞いて、有能な軍師将軍や参謀を活用したので、徐々に力をつけていった。

 紀元前二〇二年、項羽軍三〇万人と劉邦軍一〇〇万人は垓下で矛を交えた。劉邦は恩賞を弾んだので兵の志気は盛んで、劣勢な楚軍を追い詰めた。項羽は城を失い、劉邦は数を減らした項羽軍を追いつめて包囲したのだが、打って出ても項羽本人が獅子奮迅の働きを見せて劉邦配下の部将たちを討ち取ってしまうので、損害が増えるばかりである。劉邦が項羽を包囲したまま事態はこう着状態に陥った。
 全軍の指揮をとっていた韓信は、「これは兵糧攻めにするしかないな」と考えていたのだが、軍師の張良は奇策を進言する。一〇日ほどかけて、漢の兵士たちに敵軍である楚の国の歌を覚えさせるというのだ。漢軍も楚軍も、兵士たちはこの一〇年の間故郷を離れて戦ってきた。今彼らは、「戦いが終わりさえすれば故郷に帰れる」という一念で戦っているのである。そんなときに、兵糧が尽きて空腹にあえいでいる楚軍の兵士たちに故郷の楚歌を聞かせてやれば、里心がついて多くの兵士が離脱するであろうという心理戦である。

 やがてある宵月夜、空きっ腹を抱えて寝ていた楚軍の兵士たちの耳に、四方八方から漢の兵士たちが歌う楚歌が聞こえてきた。それを聞いた兵士たちは楚の国が占領されてしまったのではないかと家族を思い脱走を決意する者が多く、楚軍は集団心理でパニックに陥った。
 異常に気づいた部将たちが善後策のために項羽の陣幕を訪ねると、項羽は大酒を食らって正体なく眠り込んでいた。そのため兵士たちが月夜に紛れて次々と脱走していくのに部将たちは手をこまねいて見ているしかなかった。やがて部将たちも身の図り方を話し合い、ある者は兵に紛れて脱走し、あるものは漢に投降し、ある者は残って項羽と運命を共にすることを選んだ。項羽が目を覚ますまでにほとんどの兵士が脱走し、残ったのはわずか八〇〇騎であった。こうして項羽の大軍は壊滅したのである。
 戦時においては、謀略放送やビラまきで相手を攪乱するような心理戦はよく行われる。それだけ効果があるからだ。
 対立状況にあるとき、人はたいてい力と力の争いにしか頭が回らないものだ。しかしもし相手の気持ちに働きかけ局面を有利にする手段を思いつけば、それはわずかなコストで大きな効果をあげるかもしれないのだ。なぜなら人はみんなゆりうごかされやすい心を持っているからである。
 漢の軍師張良は、敵兵一人ひとりの心に働きかけて戦意を喪失させ、敵軍を壊滅させたのである。

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