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落語「岸流島」 戦わずして勝つ方法を考えよ   「人間力」エピソード集

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相手を受け容れるだけでは、問題は解決しない

今のところ人間力という言葉の定義は確立されていない。そこでみんな「人間力」という言葉にいろいろな意味づけを行っている。「人間力とは相手を受け容れる受容力である」とか、「相手の考えを感じ取るセンサーである」などと言っている人もいるが、これではどうしても人間力という言葉に含まれていなければならない意味要素が欠けているように思える。たとえばこんなケースを考えてみよう。

 落語に「岸流島」という演目がある。江戸時代、浅草から隅田川を下る乗合船に、年のころなら三二、三歳の色の浅黒い若侍が乗り込んでいた。この侍、一服つけようとして船縁でキセルを叩くと、キセルの雁首が取れて川の中に落ちてしまった。よほど大切なキセルだったらしく、残念そうにブツブツ言っている。そこへよせばいいのに、船に乗り合わせた紙くず屋が、「旦那、それじゃもう使えませんので、ご不要になった吸い口を売っていただけませんか」と持ちかけた。カチンときた若侍は、「黙れっ、武士を愚弄いたすか。今拙者が落とした雁首と、きさまの雁首を引き換えにしてくれるから、そこへ直れっ」と激怒して、紙くず屋がはいつくばって謝っても許そうとしない。

 それを見かねた七十過ぎの老侍が、「とるにたりぬ町人を斬ったところで貴公の恥ではないか」と中に入ったのだが、若侍は「しからば貴殿が相手。いざ尋常に勝負勝負!」と食ってかかった。
 「言って聞かせても仕方がない」と思った老侍は、「船の中ではみんなに迷惑がかかるから、向こう岸につけてもらってそこで手合わせしよう」と応じたので、若侍は「このじじいを一撃ちにしてやろう」と意気込んで、船が岸につけるなり、いきりたってひらりと桟橋に飛び移った。
 その途端に老侍は持っていた槍でトンと岸を突いて船を川に戻し、若侍を置き去りにした。若侍は悔しがって「船を戻せ」とわめいたが、老侍は船頭に「あんなバカにかまわず船を出してしまえ」といって漕ぎ去ってしまったのだった。

 この老侍は若侍を受け容れる振りをして、相手をいいようにコントロールしたのである。もし人間力がセンサーや受容力なのであれば、理屈の通じない相手がけんかを吹っかけてきたとしても、「じゃあわかったので決闘しましょう」とまともな斬り合いになってしまう。つまり相手の考えを知り、受け容れる能力というのは人間力の半分以下でしかないのだ。相手が何者か見切って、それに対してどう対処するか考え、実際に行動するところまで含めて人間力でなければおかしい。
 人間力とは決して相手を単純に受け容れるだけの能力ではない。相手にどのように働きかけるかがセットになっていなければ意味がないのである。


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人間力とは、「大人になること」と見つけたり













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